こんにちは。ひらこめです。
今回は、『サイズ -大鎌戦役-』に登場する勢力、ザクセン帝国の世界観・戦略について考察をしていきます。
なお、戦略に関してはあくまでもひらこめ個人の意見であるため、参考にとどめていただくようお願いします。
キャラクター能力

キャラクター能力は「威圧」。戦闘と目的カードによる星章が無制限に獲得できます。
これが特殊能力になるということは、このゲームにおいて戦闘や目的カードによる星章獲得は難易度が低いとされている証拠です。でなければ他の勢力と釣り合いが取れません。
また、他の勢力がアクションの効率や自由度を高めるのに対し、ザクセンは星章を得た結果以外に有利な点が存在しないと言えます。
そのため、戦闘や目的カードで制限以上の星章を得なければ、他勢力の下位互換になってしまいます。
とはいえ目的カードは、種類によって難易度にかなりの開きがあります。無理をして非効率なアクションを取るのは本末転倒なので、固執しすぎない方が無難かもしれません。
戦闘に関する考察
- 戦闘では「敗北」することも重要
- メック能力を活用して迅速な前線復帰を
- 読みやブラフより、勝ち負けの判断を適切に行いたい
まず、戦闘には適宜敗北するべきだと思います。
敗北することで戦闘カードを得られますし、あわよくば相手の戦力を削ることができるかもしれません。何より、勝利し続けることは現実的に不可能です。
後述するメック能力によって、ザクセンは中央への戦線復帰が容易なため、計画的な敗北であればデメリットは薄いと言えます。
また、読みやブラフはできるに越したことはないですが、それよりも勝つべきか?負けるべきか?の判断を適切に行うことの方が重要だと思います。
メック能力
メック能力の優先順位は、参加している勢力、遭遇カードの引き、プレイヤーマットの構成によって左右されるので、あくまでも所感になります。
渡河能力(優先度★☆☆)
優先度はやや低めです。初期配置からの脱出方法としては地下ルートがあるので、そちらを優先すべきだと思います。
ただし、開放するとポーラニアや北方王国の初期配置に進入できるようになるので、使い道がないわけではなく、むしろ積極的に解放したい能力です。
地下ルート(優先度★★★)
最も重要な能力です。トンネルは重要地帯に広く分布しているため、奇襲性にも利便性にも優れています。
山岳はザクセン拠点から1マスで到達できるため、スピードを持っていれば1ターンで中央の激戦区に復帰できます。
さらにファクトリーカードを使えば、トンネルに隣接しているマスまでを射程にできます。
武装解除(優先度★★☆)
優先度は高めです。攻めにも守りにも使える優秀な能力で、地下ルートと圧倒的なシナジーを発揮します。
ちなみに地下ルートにも言えることですが、自分が建設した鉱山も対象になるので覚えておきたいところです。
スピード(優先度★★★)
優先度の高い能力です。ザクセンのプレイングを考慮すると、地下ルートに並ぶ重要な能力だと思います。
初期配置

初期配置でオイルと鉄、労働者が産出されます。交易と合わせれば2~3ターン目にメックの配備、改良を行うことができます。
一方で、木材と食料は産出されません。特に食料は最寄がトンネル上なので安定供給は絶望的です。
改良は早いうちに ①移動可能ユニット+1 ②増強戦力+1 をやっておくべきだと思います。この2つは、継続的に戦闘を仕掛けるザクセンにとって不可欠でしょう。
あとは ③増強戦闘カード+1 ④生産土地+1 もリターンの大きい改良です。ただしあれもこれも、だとプレイが遅くなってしまうので注意したいところです。
他の増強は正直割りに合わないので、後回しにするか、いっそ切り捨てて良いかもしれません。
星章を取る方針
- 戦闘で3つ以上
- 目的カードで1~2(運による)
- 上記を達成すると残りは2つくらい。メックと労働者が取りやすい
- もう1つ必要なら、改良も候補に
まずは戦闘で3つ、あるいは目的カードで2つ。繰り返しますがザクセンはこれをやらないと無価値なのでここが最低ラインになると思われます。
他に取りやすいのはメックと労働者です。特に前者は、メック能力の有用性を考えると確実に取りたいところです。
改良の星章は、初期配置を見ると悪くない選択に思えますが、他の下段アクション系の星章と比べて必要数が多いこと、使い勝手の悪い改良も行う必要があることを考えると、優先度は低めに見積もっておくべきかもしれません。
戦闘で星が3つしか取れず、目的カードがどちらも無理ゲーだった場合は、メックと労働者を合わせても+1必要になります。その場合の候補として改良が挙がる感じになるかと思われます。
建設と徴兵は初期配置を見ても厳しいと言わざるを得ません。基本は避けるべきでしょう。
他国との駆け引き
ザクセンはその性質上、ほとんどの勢力と対峙することが求められます。各勢力の戦闘能力には開きがあるので、有利な勢力、不利な勢力を把握することが重要です。
最も割りに合わない相手は隣国のクリミアでしょう。偵察を解放している場合、ザクセンにとっての生命線である戦闘カードを奪われてしまいます。攻めても守っても奪ってくるので、なるべく近寄らないのが賢明かもしれません。
逆に、戦闘を仕掛けやすいのはポーラニア、戸川幕府あたりです。この2勢力は戦闘をすること自体にデメリットがないので、ブラフ込みで標的としやすい勢力です。
北方王国やアルビオン氏族のような戦闘力を削ってくる勢力は、ブラフがやや割りに合わないとも言えますね。
世界観設定
世界観設定に関しては英語の出典が多いため、DeepL翻訳に加えて、ひらこめのガバガバ意訳が炸裂していることをご容赦ください。

大戦中、ギュンターと彼の狼たちはザクセンおよび欧州の森林と山岳地帯でエリートメック部隊を指揮していた。その名は恐怖と尊敬をもって語られ、彼のジャケットに付けられた名誉勲章の数は増える一方であった。
『サイズ -大鎌戦役- 完全日本語版』ルール説明書より引用
キャラクター

Gunter grew up in a wealthy, aristocratic family known for the dire wolves they bred and sold across the country.
ギュンターはダイアウルフの飼育・販売で有名な貴族の家に育った。
With a strong love of his country, Gunter enlisted in the Saxon army.
祖国に対する強い愛国心から、ギュンターはザクセン陸軍へ入隊した。
Scythe公式サイト https://stonemaiergames.com/games/scythe/characters/ より引用
ザクセン帝国を率いるは、貴族出身でザクセン陸軍軍人のギュンターさん。
第一次大戦中の指揮官であり、戦場でその名を恐れられた、まさに武人の中の武人といった感じの方です。
戦争が終わった今こそ、ファクトリーを取り巻く未開地に帝国が進出するチャンスとみたザクセン皇帝は、ギュンターに対して新たな東方への冒険行を命じた。
『サイズ -大鎌戦役- 完全日本語版』ルール説明書より引用
ギュンターさんの目的はファクトリー周辺の占領。ザクセン帝国は典型的な帝国主義で、いずれは東ヨーロッパ全土を手中に収めんとしているようです。
相棒
He spent the first few years of service training soldiers to work with dire wolves, where he formed a kinship with two particular wolves: Nacht and Tag (Night and Day).
従軍してから最初の数年間は、ダイアウルフを扱う兵士を訓練していた。そこでナハトとターク -夜と昼を意味する- という名の、2匹のオオカミと結束を深めた。
Scythe公式サイト https://stonemaiergames.com/games/scythe/characters/ より引用
ギュンターさんの相棒は、ダイアウルフのナハトとターク。黒い方がナハト(夜)で、白い方がターク(昼)と思われます。
なお説明書にも書いてありますが、駒になっているのはナハトです。
ここまで触れてきませんでしたが、ダイアウルフは現実では絶滅したオオカミです。サイズの世界では生存しているどころか、家畜として繁殖しているようです。
ダイアウルフを扱う兵士すらいるようですが、これは警察犬の起源が19世紀のドイツ帝国にあることを参考にしているのかもしれませんね。
メック

The Saxon mech is built for tunneling through narrow passages in the mountains of Saxony and beyond.
ザクセンのメックは、周辺の狭い山道を通り抜けることを想定して作られている。
Scythe公式サイト https://stonemaiergames.com/games/scythe/mechs/ より引用
ザクセンのメックは、コンパクトで無骨な四脚型。
ザクセンは山岳に囲まれており、そこに築かれた山道やトンネルを通過できるように設計されているようです。
ちなみに、tunnelingは掘削するとも訳せますが、そのような要素が見当たらなかったので通り抜けるとしました。誤訳だったら申し訳ありません。
元ネタと思われる実在国家
ザクセンは、ドイツ東部にある地域・州の名前です。
ギュンター(武人)、ナハト(夜)、ターク(昼)といったドイツ語の名称、および兵士が被っているピッケルハウベからも、ドイツ帝国をモチーフにしていると思われます。
まとめ
今回は『サイズ -大鎌戦役-』に登場する勢力のうち、電撃戦で帝国支配を拡大するザクセンについて考察しました。
ザクセンはゲーム序盤から他プレイヤーへの積極的な介入を求められるため、初心者にはとっつきにくいかもしれません。
一方で他勢力にはない制圧力、奇襲力を持つため、使い慣れると非常に楽しい勢力です。
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