北方王国(ノルディック)について解説 -『サイズ -大鎌戦役-』に登場する勢力の戦略・世界観設定

サイズ -大鎌戦役-

こんにちは。ひらこめです。

今回は、『サイズ -大鎌戦役-』に登場する勢力、北方王国の世界観・戦略について考察をしていきます。

なお、戦略に関してはあくまでもひらこめ個人の意見であるため、参考にとどめていただくようお願いします。

キャラクター能力

キャラクター能力は「水泳の達人」。労働者が自由に河を渡ることができます。

このゲーム屈指の地味能力で、初心者からすると強みが全く分からないという欠点(?)があります。

強みについては後述しますが、差し当たっての注意点として、この能力は労働者ありきだということです。1ターン目から村に出向いて数を増やすべきだと思います。

北方王国の強みについて

ひらこめの個人的な見解になってしまいますが、北方王国の強みはずばり領域の確保です。

  • 「水泳の達人」により労働者が自由に河を渡れるため、早期から労働者を分布させることができる
  • 「航海能力」により、湖への侵入が可能になる。湖は競合の少ない優良土地であり、ポーラニアがいなければ周辺の湖はほぼ独り占めできる
  • ユニットが敗北しても湖に撤退することができる。拠点から出直す必要がなく、粘り強く前線を維持できる
  • 3領域分として扱われるファクトリーには、湖が3つ隣接している。ファクトリーの取り合いにおいて、北方王国はラスヴィエトに匹敵する有利がある

領域は星章並み、あるいはそれ以上の得点源なので、北方王国が領土を広げていると、短期戦勢力はゲームの決着を躊躇うようになります。

北方王国は星章の獲得、特に下段アクションの効率を優先すると、他の勢力に圧倒的な差をつけられてしまうため、長期戦を見据えて領土と支持を優先し、場合によっては下段アクションの効率を犠牲にする必要もあるかもしれません。

メック能力

メック能力の優先順位は、参加している勢力、遭遇カードの引き、プレイヤーマットの構成によって左右されるので、あくまでも所感になります。

渡河能力(優先度★☆☆)

水泳の達人と航海能力があるので優先度は低めです。最悪取らなくても良いかと。

航海能力(優先度★★★)

最も重要な能力で、理由は前述した通りです。ファクトリーにアクセスするためにも最優先で取るべきだと思います。

砲兵(優先度★☆☆)

優先度は低くなりがちです。弱いわけではありませんが、北方王国は金属の確保に難があるため無理は禁物です。消耗戦は、戦闘に参加していない他勢力が相対的に有利になることにも注意が必要だと思います。

スピード(優先度★★☆)

優先度は高めだと思います。広く前線を確保するためにも、早めに解放したいところです。

初期配置

  • 村の位置に難がある
  • 金属の生産に難がある。交易の活用も視野に
  • アルビオンより先手を取ったら、アルビオン側に移動しておく
  • 生産の効率を上げるため、改良と建築を活用する

初期配置は木材、石油、金属です。

組み合わせ自体に問題があるわけではありませんが、実際のところ非常に使いづらい初期配置だと思います。

その理由は村の位置です。北方王国は労働者が命ですが、初期配置に村がありません。

これ自体は、水泳の達人があるため無問題です。しかし、その村からの移動先に金属が存在しません。増やした労働力を金属に投入するのに2回以上移動する必要があるということです。

このため、北方王国は実質的に金属を交易する必要がある勢力です。

また、2つある村のうちアルビオン側に行くか、ラスヴィエト側に行くかは重要な判断です。

アルビオンが参加しており、かつ先手を取れるなら、アルビオン側に移動しましょう。いずれ戦闘ユニットに散らされるでしょうが、拠点に戻る手間が省けたと思えば安いものです。

アルビオンからすると、早期から労働者を配置できず(アルビオンにとっても労働者は重要な存在です)、支持を失うので非常に厄介な戦術です。

最後に、北方王国は水泳の達人のために労働者を増やす必要があります。一方で、労働者が増えると生産のコストが痛くなります。

幸い、初期配置でオイルと木材が出るので、改良では生産土地+1、建築では風車を早めに立て、生産の効率を上げることが重要です。

星章を取る方針

  • 建築、労働者
  • 残り4つが難しい。徴兵、戦闘、目的カードは比較的容易
  • ファクトリーカードの活用も視野に

比較的取りやすいのは、建築と労働者です。

残り4つをどうするかは非常に難しく、北方王国最大の欠点です。他の勢力と違い、固有能力が星章に一切寄与しないので…

徴兵は悪くない選択肢だと思います。ただし供給の安定度合いは、アルビオン、ラスヴィエトの参加有無に影響を受けます。

あとはやはり戦闘でしょうか。航海能力があればブラフを仕掛けやすいので、十分な戦力が溜まったら積極的に戦闘するべきだと思います。

あるいは、ファクトリーカードを活用するのも手です。その場合は生産を必要としないため、コストや労働者の配置も気になりません。

他国との駆け引き

警戒するべきは、ザクセンとポーラニアです。

この2勢力は奇襲能力が高く、初期配置にまで侵入してくるため、せっかく生産した資源を奪われてしまう可能性もあります。

特にポーラニアには注意したいところです。北方王国の特権である湖を脅かしてくるうえ、アクセスではあちらが圧倒的に有利。さらにポーラニアが湖上で勝利した場合、航海能力の効果を発揮できない可能性が高くなります(湖に他勢力がいる場合、そこを撤退先とすることはできない)

北方王国との潰し合いはポーラニアも望まないでしょうから、周辺の湖のキープはしつつ、あまり刺激しないようにしましょう。

逆に、前述した通りアルビオンには有利に出ることができます。

ラスヴィエトも遭遇トークンのある農地を占拠されるとやや不利ですが、アルビオンほどは困らないと思います。

世界観設定

世界観設定に関しては英語の出典が多いため、DeepL翻訳に加えて、ひらこめのガバガバ意訳が炸裂していることをご容赦ください。

彼らはともに国中で冒険旅行を繰り広げ、他の部隊への外交使節、あるいは軍事行動の実行者、はたまた新しい油田の発見という使命を果たしてきた。

『サイズ -大鎌戦役- 完全日本語版』ルール説明書より引用

キャラクター

Bjorn, the descendant of a renowned Viking family, grew up in a small village in the north of the Nordic Kingdom.

有名なバイキングの一族の末裔であるビョルンは、北方王国の北部にある小さな村で育った。

For centuries his tribe had bred and raised the massive musk ox seen on many farms across the arctic.

彼の一族は何世紀にもわたって、北極圏の多くの農場で見られる巨大なジャコウウシを飼育してきた。

Scythe公式サイト https://stonemaiergames.com/games/scythe/characters/ より引用

北方王国を率いるは、バイキングの末裔であるビョルンさん。

サイズの登場人物の中では珍しく、一般的な家庭の出です。

しかし、受け継いだバイキングの血が騒ぐのか、大人になった彼は村を出て冒険することを決心したようです。

今、北方王国の王は、王国の集落と農地を–交渉または軍事力によって–増やすため、そしてファクトリーを探検して今後の戦争での技術的優位を得るために、彼らを南方へと送り出した。

『サイズ -大鎌戦役- 完全日本語版』ルール説明書より引用

北方王国の目的は領土の拡大と、ファクトリー技術の獲得。

北方王国は、その過酷な気候から人の住める場所は少なそうで、南方に領土を欲しているようです。

相棒

When he was 15, Bjorn was caught in a terrible snowstorm while trying to find a young musk ox that had wandered away from the herd.

15歳のとき、ビョルンは群れからはぐれてしまった幼いジャコウウシを探そうとして、ひどい吹雪に遭った。

Much to Bjorn’s surprised, the musk ox seemed to understand the dire situation, as it created a protective barrier to keep Bjorn safe from the blizzard.

驚いたことに、ジャコウウシはこの状況を理解していたようで、ビョルンを猛烈な吹雪から庇っていたのだ。

Scythe公式サイト https://stonemaiergames.com/games/scythe/characters/ より引用

ビョルンさんの相棒は、ジャコウウシのモクス。

名前の由来はジャコウウシの英名であるmusk oxの略でしょう。そのまんまですね。

なお、実在のジャコウウシは高さ100~150cmほどで、一般的な家畜牛とさほど変わらないようですが、モクスはイラストを見る限り200cmくらいはありそうです。

「巨大なジャコウウシ(massive musk ox)」といっていることから、こういった品種なのだと思われます。

メック

The Nordic mech is inspired by Viking longships.

北方王国のメックは、バイキングのロングシップをモチーフにしている。

https://stonemaiergames.com/games/scythe/mechs/ より引用

北方王国のメックは、船をモチーフにした六脚型。

モチーフに、というかむしろ足を生やした船といった感じで、そのまま湖に浮かべられそうです。

元ネタと思われる実在国家

北欧諸国が元ネタと思われます。

公式サイトのギャラリーによれば、フィンランドを除いた北欧諸国(デンマーク、ノルウェー、スウェーデン)を領土にしているようです。

まとめ

今回は『サイズ -大鎌戦役-』に登場する勢力のうち、北方の雪国、北方王国について考察しました。

北方王国はいまいち強みが分かりにくく、ファンダムでも良くネタにされています。

領域の確保という観点にフォーカスすると、粘り強く前線を維持できる北方王国は、まさに玄人好みの勢力と言えるでしょう。

この記事を参考にして、北方王国の戦略の幅が広がれば幸いです。

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