今回は、根強い人気を誇り再販も一瞬で売り切れとなった『プロジェクトL』について紹介します!
『プロジェクトL』はどんなゲーム?
基本情報
プレイ人数 | 1~4人 |
プレイ時間 | 30分 |
ゲームジャンル | パズル、拡大再生産 |
ルールの複雑さ | 簡単 |
ルールは簡単でプレイ時間も短いため、ちょっとした時間つぶしにもオススメのゲームです。
ゲーム内容
『プロジェクトL』は、強化したピースを駆使してより多くのパズルを解くゲームです。

ゲーム序盤では簡単なパズルしか解くことができませんが、ピースを強化して大きくしたり、新たなピースを獲得することによって、より複雑なパズルを解くことができるようになります。

『プロジェクトL』の評価
『プロジェクトL』に関する魅力を箇条書きでまとめてみました!
- シンプルかつ直感的なルールで、誰でも楽しめる
- リソース管理とパズルの楽しさが両立した珍しいゲーム
- サクサクとした進行で、何度も遊びたくなるような中毒性がある
ボードゲーム最大級のレビューサイトであるBGGでは、レート7.6(2022年3月現在)とかなり高い評価を得ています。

『プロジェクトL』の簡単なルール説明
ルールに関する記載は、公式サイトの改訂ルールに準拠します。日本で流通している多言語対応版のルールとは一部異なる場合があります。

ピースとパズルの説明
ゲームの流れを説明する前に、使用するピースとパズルについて説明しておきます。
ピース
『プロジェクトL』ではテトリミノのような形をしたピースを使ってパズルを解きます。
ピースにはレベル1からレベル4まで存在し、それぞれ埋められるマスの数に対応しています。

パズル
ピースで空き枠を隙間なく埋めることができれば、そのパズルを解いたものとされます。

パズルを解くと、左上に書かれているポイントと、右上に書かれているピースをボーナスとして獲得できます。

勝利点と新しいピースを獲得できる。
パズルには裏面が白いものと黒いものがあります。
白パズルは簡単でボーナスが少なく、黒パズルは難しくボーナスが多くなっています。

難易度とボーナスに大きな差ががある。
ゲームのセットアップ
テーブル中央には白パズルと黒パズルの山があり、その横に4つずつパズルが並びます。

プレイヤーは初期ピースとして、レベル1とレベル2のピースを一つずつ受け取ります。

プレイヤーが取れるアクション
開始プレイヤーから時計回りに手番を行います。
プレイヤーが実行できるアクションは以下の通りで、これらを手番中に3回実行できます。
Take(パズルを取る)
公開されている8つのパズルのうち一つを取得します。取得した後は山札の一番上から補充します。

公開されているパズルの代わりに、山札の一番上から見ないで取得することもできます。
なお、手持ちに置けるパズルは4つまで。それ以上は取得することができません。
Recycle(パズルを入れ替える)
白パズルか黒パズルの列を選び、そこにある4つのパズルを全て山札の下に置いて、新たに4つのパズルを並べます。

自分の欲しいパズルがないときに、有効なアクションですね。
Upgrade(ピースの改良)
自分のピース1個を、1レベル上か、1レベル下か、同じレベルのピースと交換します。

レベル3のピースを他の形にする例。
あるいは、1レベルのピースを獲得します。
Place(ピースを置く)
手持ちのパズルにピースを1個配置します。

パズルを完成させたらボーナスを獲得し、使用したピースを手持ちに戻します。
Master(マスターアクション)
手持ちのパズル全てに1個ずつピースを配置します。

マスターアクションは1手番中に1回しか実行できません。
効率的にピースを置くことができるため、マスターアクションのタイミングを見計らうことが勝利の鍵になりますね。
ゲームの終了条件
黒パズルの山が全てなくなった時点で、ゲームの終了がトリガーされます。
次のスタートプレイヤーの手番までターンを実行し、さらにもう一度ターンを実行してゲームが終了します。
未完成パズルの扱い
ゲーム終了時点で未完成のパズルがある場合、手持ちのパズルを使って完成させることができます。これを最後の仕上げと言います。
最後の仕上げで使ったピース1個につき、1点減点となります。
最後の仕上げでも未完成だったパズルは、そのポイント分だけ減点になります。
最終得点
完成したパズルの合計得点から、未完成パズルの減点分を引いた値が最終得点になります。
バリアント:1人用ゲーム
『プロジェクトL』は1人用ゲームも魅力的な作品です。
もともとプレイヤー間の相互作用が薄く、ソロゲーム的な要素が強いので、1人用でも楽しさが減じにくいのだと思います。
概要
プレイヤーは、基本的にオリジナルのルールに基づいてポイントを獲得していきます。
一方、対戦相手のオートマは一定のルールに従ってポイントを獲得していくため、競い負けないようにポイントを獲得していくことになります。
セットアップ
山札として黒パズル10枚、その上に白パズル15枚を用意します。

その後、山札から9枚の白パズルを3×3に並べ、その上にレベル1のピースを1,3列目に1個、2列目に2個置きます。これらはオートマがポイントを取得できない列を表すマークで、レベル1ピースである理由は特にありません。

最後に、難易度を「通常・困難・不可能」から選び、通常なら6個、困難なら3個のレベル1ピースをオートマ用のスペースに用意しておきます。不可能ならレベル1ピースを用意しません。
古いバージョンだとレベル1ピースが10個しか入っておらず、通常の場合にレベル1ピースが足りません(!)レベル2のピースなどで代用すると良いと思います。
ゲームの進行
ゲームはプレイヤーのターンから始まり、山札が無くなるまでプレイヤーとオートマが交互にターンを行います。
プレイヤーのターン
通常のゲームと同じようにプレイしますが、いくつか例外があります。
パズルをグリッドから取得した際は、その列にあるレベル1ピースをオートマ用のスペースに移します。その列にレベル1ピースが存在しない場合、山札の一番上から取得した場合は何もしません。

また、Recycleアクションは実行できません。
オートマのターン
オートマは、ピースが存在しない列のうち、最もポイントの大きいパズルを獲得して即座にポイントとします。
その後、オートマスペースにあるピース全てと、他の列のピース一つずつを獲得した列に移動します。

一番左の列から最もポイントの大きいパズルを獲得し、ピースを移動させる。
もし全ての列にピースが存在する場合は、各列から1ピースずつ共通スペースに破棄します。パズルは取得しません。
パズルを1つ取得するか、ピースを破棄したらターン終了です。
終了条件と勝利条件
山札が無くなった時点で終了条件がトリガーされ、プレイヤーとオートマが一度ずつターンを回して終了になります。
得点計算はオリジナルルールと同様で、同点の場合はオートマの勝利となります。
勝利のコツ
勝利のためには、ピースの位置を調整して、なるべく高得点のパズルを取られないようにする必要があります。
最も重要なのは、全ての列をブロックしてパズルを取らせないターン(=1回休み)を適切なタイミングで行うことです。黒パズルの登場より後に行うことで、オートマが高得点のパズルを取得することを防げます。
公式サイトの改訂ルールについて
『プロジェクトL』は発売からルールが改定されており、公式サイトでは改訂版のルールが公開されています。

日本で流通している多言語対応版は、改訂前のルールが記載されているものもあります。
以下に改訂前と改訂後の違いをリストアップするので参考にしていただければと思います(詳しくは上記改訂ルールを参照してください)
- Takeアクションで山札の一番上から取得できるように
- Recycleアクションが新設
- 最後の仕上げでも未完成のパズルはポイント分減点されるように
- 終了条件が満たされた後は、黒パズルは1ターンに1個しか取得できなくなる
- 完成させたパズルは裏向きにストックする
『プロジェクトL』はここがおもしろい!
パズルと拡大再生産の融合
『プロジェクトL』の魅力はなんといっても、直感や空間認識を駆使するパズルの楽しさと、じっくり悩んで計画するボードゲームの楽しさが見事に融合している点です。
パズルを完成させた瞬間に、最後の1ピースをはめる気持ちよさと、計画が思い通りにいった時の達成感を同時に味わえるため、パズルとしてもボードゲームとしても印象深く残ります。
こういったゲームデザインはありそうでなかった、とてもユニークな作品だと思います。
サクサク遊べる中毒性
『プロジェクトL』はよく中毒性があると評価されることがあります。
この中毒性は最後の1ピースをはめた時の快感と、プレイサイクルの短さからくるもので、繰り返し遊びたいと思わせてくれる実に見事なゲームデザインだと言えますね。
ルールのシンプルさも、プレイ時間あたりの満足度を高めてくれる要因となっており、このゲームが根強い人気を誇るのも頷けます。
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